「良いゴルフ場」と言うときに、何を基準にしますか? 「食事がおいしい」「クラブハウスが豪華」「接客がいい」「近い、アクセスがいい」など、いろいろな要素があると思いますが、やはり一番大切なのは「コースのレイアウト」や「コースコンディション」ではないでしょうか。確かにゴルフ場にはプレーをしにいくわけですから、コースそのものがお粗末というのでは話にならないですよね。
では具体的には、ゴルファーの満足度が高いものとは何でしょうか。それはやはり、コースの整備が行き届いていることだと思います。グリーンはデコボコで転がりが悪い、フェアウエーは雑草や裸地、穴だらけ。樹木の枝落としもしていなくて、バンカーには砂が入っていないし、境目もわからない――。こんなコンディションではいくら名設計家のデザインでも、がっかりして「もう来たくない」となりますよね。
一方、きれいに刈り込んだティーイングエリアやジェネラルエリア、転がりのよいグリーンのコースなら、多少プレー代や食事代が高くても、クラブハウスやお風呂が狭くても、満足度はぐっとアップするはずです。
これらのコースメンテナンスの仕事を指揮しているのがグリーンキーパー(以下、キーパー)です。コースメンテナンスとは、芝草という生き物と日々変化する環境(気象)ストレスと向かい合いながら、ゴルフ場というフィールドをいかに最高のコンディションにするかに尽きます。そのミッションを達成することが経理や労務管理、植物生態学、生理学、病理学、土壌学などの知識を習得したキーパーの業務といえます。当然、キーパーはロボットではないので、そのメンテナンス方法に個性が出るのは言うまでもありません。
以上、日経新聞記事より